9人組進化系ミクスチャーユニット・SUPER★DRAGONのメインボーカルとして、多彩な表現力と洗練された佇まいで魅了し続ける池田彪馬さん。

グループが12年目を迎えた今、自身初となるソロ名義での1st mini Album『Effect』をリリースします。

前編では、ソロプロジェクト始動への想いから、『Effect』というタイトルに込めた意味、直感を大切にした楽曲制作、そしてアートや文学から育まれた美意識まで。Hyoma Ikedaとして初めて形にした世界について語ってもらいました。

12年目の節目に始まった、Hyoma Ikedaとしての新たな表現

――ソロとして始動することになった率直なお気持ちをお聞かせください。

普段はSUPER★DRAGONとして9人で活動することが多く、僕たちも12年目に突入しました。そうやって長くグループで歩んできた中で、ソロとしてもまた新たな一歩を踏み出せることに、純粋にすごくワクワクしています。

自分の中で表現できることの引き出しや幅が広がるという意味でも、楽しみが増えました。まだ皆さんの手元には届けられていないのですが、お届けできる日が楽しみです。(※取材はリリース前に実施。)

グループでの制作には、12年という歳月をかけて地道に培ってきたSUPER★DRAGONならではの色があります。一方で、Hyoma Ikedaとしては今回が1作品目ですし、これから自分と一緒にその色を作り、育てていくものだと思っています。だからこそ今回は、何よりも自分のフィーリングや直感を大事にしながら作りました。

――1st mini Albumのタイトルを『Effect』(影響)とした理由を教えてください。

12年間の活動の中でもそうですし、僕自身これまでの人生の中で、いろんな方から影響を受けながら過ごしてきました。今回の作品も、いろんな方と共作したりコライトしたりする中で、たくさんの影響を受けて作っています。

そう考えた時に、“影響”というものは自分にとってすごく大切なものなんだなと改めて感じて。それが『Effect』というタイトルを付けた理由の一つです。

あとは、自分がこれから届けていく作品も、たくさんの方にとって何かの影響になってほしいという思いがありました。自分がこれまでいろんな影響を受けてきたように、今度は自分の作品も誰かにとって何かの影響になってほしいと願って、『Effect』というタイトルにしました。

直感から生まれる音楽――共作と自作、それぞれで探る自分らしい表現

――楽曲のアイデアや歌詞は、普段どのような瞬間に生まれるのでしょうか。

メロディーや歌詞を書いていく作業は、あまり考え込まずに感覚的にやるものだなと思っているんです。そうやって自然と湧き上がってくるメロディーや歌詞は、自分の気持ちと直結しているものだと思うので、自分の感覚、それこそフィーリングを大切にしています。

メロディーはお風呂に入っている時や、実際に「曲を作ろう」と決めてトラックを作っている段階で思いつくことが多いです。

歌詞に関しては、普段から思ったことをメモに書き留めてストックしていますし、本を読んだ時に印象に残った文豪の言葉なども残しています。いざ歌詞にしようとなったら、その楽曲の世界観に合うワードを、夜ひとりで考えることが多いですね。

――今回、さまざまな方とコライトされていますが、制作をご一緒する方はどのように決めていったのでしょうか。

基本的には、これまで関わりのあった方にお願いすることが中心でした。グループでご一緒した経験があって、ソロでもぜひお願いしたいと思った方に声をかけることもありましたし、自分が信頼を置いているクリエイターの方と一緒に作っています。

例えば『Eden.』で作詞をお願いしたSILENT SIRENのすぅさんは、僕自身が普段からSILENT SIRENのリスナーだったこともあって、今回は“女性視点の歌詞”を書いてほしいと思い、僕からオファーさせていただきました。

グループでは基本的にメンバー自身が作詞やメロディー作りなど、楽曲制作のクリエイティブにがっつり入っているので、女性が作詞に参加してくださる機会がなかなかないんです。ソロだからこそできる表現として、女性視点で重たい愛を描き切ることは、一つの武器になるんじゃないかと考えました。

すぅさんの言葉選びはキャッチーでありながらストレートで、そうした世界観が『Eden.』にも如実に表れていて。本当にありがたいですし、その楽曲を自分の曲として持てることをすごく光栄に思っています。

一方で、『-Sea-』は作詞・作曲をどちらも一から全部自分で手がけた楽曲で、自分らしさもありつつ、ある意味挑戦的な意味合いも込めて制作しました。

『-Sea-』に限らず、今回のアルバムを制作する中で「自分のしたい表現って何なんだろう」と考えた時に、意外とパッとは浮かばなくて。ただ、抽象的なものでも誰かと共有できたり、共鳴できたり、誰かに刺さったりするようなことを歌いたいなと思ったんです。

今作では重たい恋愛がテーマになっていますが、恋愛だけにとどまらず、何か一つに対して固執するような重い感情を誰かと共鳴できたらいいなという思いがあって。その分かりやすさとして、恋愛という形を置いています。そうした“共鳴”を、聴いてくださる皆さんともできたら嬉しいですね。

“重さ”の中に宿す儚さと上品さ――アートと文学が育んだ美学

――今回の作品を制作するうえで、表現として大切にしたことはありますか?

今回は重い愛をテーマとして掲げていますが、その中にちゃんと“儚さ”や“上品さ”を共存させること、重すぎないバランスはすごく大切にしました。

メロディーに関しても、ただ自分が歌いやすいものにするのではなく、聴いている人が心地よく聴けるように作ることを意識しています。そうした儚さや上品な部分を追求していくことは、今後の自分自身のアイデンティティにもなっていくのかなと思っています。

――今回の楽曲制作には、池田さんが日常で触れているアートや文学からの影響もありますか?

そうですね。特に芸術から受ける影響は大きいと思います。美術館に行くことが好きなので、そこで見た作品や絵画、空間展示を自分なりに咀嚼して、インプットすることがあります。

特に好きなのが、20世紀美術を代表する画家のひとり、ルネ・マグリットです。彼の絵画は写実的でありながら、例えば人間が空中にたくさん浮かんでいたりと、現実の中にどこか非現実的な要素があるんです。

そうやって「当たり前だと思っているものも、本当に当たり前なのかな」と問いかけてくるようなところがすごく好きで、自分の表現を考えるうえでも参考にしています。

本でいうと、太宰治など昔の文豪の作品が好きです。現代はSNSで誰もが言葉を発信できて、素敵な言葉がどこにでも転がっている時代だと思います。

その一方で、昔の文豪たちが紡いだ直接的な言葉や、あえて使われる比喩的な表現など、日本語の文学として大切に扱われてきた美しい言葉からすごく刺激を受けています。

――今作では執着や後悔など、さまざまな感情が描かれていますが、池田さんご自身は人間のどのような感情に興味がありますか?

年齢とともに興味の湧く感情は変わる部分もありますが、「寂しい」とか「何かを強く思う」という気持ちには興味が湧きますね。どんなにひとりで過ごすのが好きな人でも、なんとなく寂しい気持ちってどこかにある気がします。

僕もひとりで出かけたり、芸術鑑賞をしたりするのがすごく好きなんです。音楽とかアートとか、何かに触れている時って、たぶんそういうものが心を埋めてくれているんですよね。

でも、夜寝つけない時とか、何もすることがない時って、そうやって埋めてくれるものがなくなるじゃないですか。そういう時にふと出てくる「寂しい」っていう感情は何なんだろうなって、気になります。

友達と遊んだ次の日に、ひとりで考え事をしてノスタルジックな気持ちになったり。ひとりで過ごすことは好きなのに、どこか寂しさもある。そういう相反する感情が同居する瞬間って、面白いなと感じます。

(後編へ続く)

|Hyoma Ikeda MINI NOTE|

Q. 最近の楽しみは?

ご飯を食べることです! とにかくお肉が大好きです(笑)。焼肉を食べることも多いですし、ステーキ、焼き鳥……焼かないものも含めて、とにかくお肉ですね(笑)。

お寿司を食べに行っても、結局お肉が食べたくなって、肉寿司を頼んじゃうこともあります。

「毎日がご褒美」みたいな感覚で、食べたいものを食べながら日々過ごしています(笑)。

撮影:篠田 理恵/ヘアメイク:稲越夕貴/スタイリスト:中島有哉

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1st mini Album『Effect』

楽曲・映像・ビジュアルまで自身の美学を追求し、聴く者を夢の世界へ誘う“夜の貴公子”Hyoma Ikeda。

待望のソロ初作品となる本作は、本人が作詞・作曲に深くコミットした「Bleeding Love」や先行配信曲「-Sea-」に加え、SILENT SIREN・Suu作詞の「Eden.」、川谷絵音の名曲カバー「夏夜のマジック」など表情豊かな全6曲を収録。

美しさと痛み、甘美な毒が交錯する世界観で、ボーカリストとしての表現力と多彩なクリエイティビティを惜しみなく発揮した渾身の1枚。